セラピーサロン「モデラートカンタービレ」 の日記
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「直向き」
2012.06.19
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先日、カラオケにお誘い頂いたときのこと。
軽い気持ちで入室したのだが・・・。
わたしが覚えきれていない曲を繰り返し入曲されて・・・!
え!?
さあ、それからは手に汗握る、楽しいけれど緊迫したレッスンの開始!
出るは、出るは、わたしの欠点。
... 歯がゆいくらい歌えていない。
どんどんストイックに、向きになる。
座って歌ってなんかいられない。
震災前に東京までヴォイトレに通っていた頃のわたしが目を覚ます。
3時間ほど歌って、退室。
彼はこんなふうに独りで練習していたんだ。
自身は音痴だと謙遜されるが、わたしはそうは思わない。
しっかりした骨格、その身体いっぱいで表現されるテノール。
彼の中の少年がありったけを表現する。
小手先ではない歌。
歌う姿の、その直向きさ。
歌・・・って、そんなもんじゃないか?
歌には心がある。
歌う為にある歌。
歌は歌う為にある。
・・・・。
その後のデートもそれは甘美なものであったけれど、その直向きな眼差し、その瞳の輝きに、わたしは真っ直ぐ視線を交わせない気恥ずかしさがあった。
わたしは何かを思い出しつつある。
なにかがわたしを満たしつつある。
その予感を抱いて、あと数日で、機上の人となる・・・。